知床が世界自然遺産に登録
2005年7月14日に知床半島が世界遺産に登録されました。
知床半島の魅力は、「シレトコ○○」と言ったような「知床にしかいない」という動植物はいないのだそうですが、突き出た半島ということが幸いして、逆に北海道特有の希少な動植物が凝縮された形で生息していることなのだそうです。
私は「へそ曲がり」なのだと思いますが、ちょっと斜に構えたような感想です。
世界遺産に登録されたことは、知床の自然を守るために苦労されている自治体関係者や自然保護関係者等には名誉であり、保護がやりやすくなり、本当に嬉しいことだと思います。
しかし、その上の北海道や環境省を含めた国の嬉しさはどんなことがあるのだろう?と思いました。
そう思ってちょっと「世界遺産」について調べてみました。
世界遺産は、1972年のユネスコ総会において採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)によって登録された文化・自然遺産を言うのだそうで、登録されるとその遺産を保護するために締約国の拠出金からなっている世界遺産基金を使って、その国が行う保護対策を援助するのだそうです。
ですから、国は、世界に対して、知床の環境を保護する義務を負ったことになるのでは?と思います。
今後、観光や地元で生活している方々のバランスを保ちながら、知床半島の自然を保護していく(もちろん、知床半島の自然のままでの変化はあると思います。)という重い課題を背負っていくことを約束したのですから、そのことに関してはエールを送っていきたいと思います。
と、ちょっと皮肉が混じっているのかもしれませんが、登録された2日後に興味深い記事が2005年7月16日付の北海道新聞に載っていました。
摩周湖がある弟子屈町は、摩周湖周辺の環境を守るため、摩周湖観光に使われている道道(県道)屈斜路摩周湖畔線(摩周湖第一展望台から川湯温泉に抜けて屈斜路湖に至る40.2キロメートル)を道道から町道への格下げを北海道庁に要望しようと、検討を始めたのだそうです。
道路の維持費だけではなく、北海道ですから除雪費もありますが、それも弟子屈町で負担しなければならないのも承知の上だというのです。
それより、年間約15万台の車両を規制し、環境悪化から摩周湖を守りたいと考えているのだそうです。
本当は、「町道に降格する」という「裏技?」を考えなくても北海道庁なり、国が町と一緒に考えていってもいいのでは?と、世界遺産登録の喜びようを見ながらのちょっと斜に構えてしまった感想です。
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