民話の中の野生生物
数年間、旭川市にある北海道立旭川美術館で「ターシャ・テューダー」展を見学したことがありました。
最終的には、研修のために団体で稚内市へ向かう途中だったので、彼女に対する知識は私には全くなかったのですが、アメリカに住む童話作家で、長年の願いをかなえて田舎で暮らし、自然の中にとけ込み、生活をしているのだそうです。
彼女の作品がいくつか紹介されてい、その中で「なるほど」と思ったのは、アライグマでした。
特に北海道では野生化したアライグマの被害が問題になっていますが、アニメ等の影響か、日本では可愛い動物のイメージですが、彼女の作品のアライグマは悪者でした。
しかし、アライグマの生態などを考えた場合、彼女の方が正しいのだと思います。
これは、アライグマが身近にいる彼女の作品だからなのか、アライグマが野生にはいない(はずの)日本と違い、アメリカ人が持つイメージなのでしょうか。
そう考えると、たまにこのcocologにも野鳥のことで民話やアイヌの神話を紹介しますが、物語として描かれている登場する野鳥たちは、実によくその野鳥の実際の生態や他の野生生物や人間との関係を捉えているのです。
それは、昔から野生動物との関係、距離感を上手に保ちながら共生してきたことをも教えてくれているようで、本当に勉強になるのですが、そう考えると、やっぱりアライグマは日本人には身近じゃない動物、共生してこなかった動物なのでしょう。
そして今、お互いを認め合いながら絶妙の距離感を保ちながら共生しているとは思えず、残念ながら「野生生物との共生」を民話のように語り継いでいくのは難しいのかもしれません。
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